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2006年6月30日 (金)

テニスと農地の意外な関係

日本代表は敗退してしまったが、サッカーワールドカップはまだまだ続いている。加えて、テニスの全英オープンも始まって連日寝不足の方も多いかと思う。
そこで今回はテニスと農地の意外な関係についての記事を紹介。後半ではフットサルの話題も登場するタイムリーっぷり。記事は2年前のですが。
これって二重引用だなぁ。マズイかなぁ。一週間くらい置いたら消します。
ではどうぞ。

ニュースソース:日本テニスウエルネス協会-最新ニュースのページ

テニスコート、なぜ減った?――相続税直撃、廃業相次ぐ

  (関連記事 日経 2004年4月25日)

  日本経済新聞日曜日付Sunday Nikkeiの 「エコノ探偵団」の記事より

 「最近、テニスコートが減っているみたい」。テニススクールに通う近所の主婦が言った。「そういえば、最近、ラケットを持ち歩いている人を見かけなくなった気がする」。探偵、加江田孝造が興味を示した。

6年間で2割減少

 文部科学省の統計を調べてみると民間のテニス施設数は確かに減っていた。1996年に約2200あった施設は2002年には約1700と、6年間で約2割減っていた。 「テニスクラブの経営状態はどうなんだろう」。孝造は埼玉県内でテニスクラブを経営するティー・エス・ジャパン代表の丸山一隆さん(42)に会った。「今のクラブはどこも経営が苦しいですよ。会員の世代交代が進まず、若い初心者が入ってこないんです」

 「競技人口も減っているのかな」。孝造は東京都中野区の矢野経済研究所に向かい、スポーツ業界に詳しい上級研究員の森啓さん(33)を訪ねた。 「90年代に入ってテニス人口は減っています。94年に約1300万人だったのが、99年には約800万人にまで減少しました」「えっ、5年間で500万人も!」 「70年代にヒットしたアニメ『エースをねらえ!』以来のブームが90年代の初めに去ったことが影響しています」と森さん。

 日本テニス事業協会は「景気低迷がテニスクラブの会員数の減少につながった」とみている。大企業が事業のリストラで、コート運営から撤退したこともテニス人口の減少につながった。流行に敏感な探偵見習いの川瀬のぞみが孝造の携帯電話を鳴らした。「テニスコートをフットサル(5人制のミニサッカー)コートに替えるところも増えているそうですよ」

 「なぜだろう」。孝造は千葉県柏市の光ヶ丘グリーンテニスクラブに向かった。同クラブはテニスコート6面を運営していたが、8年前に2面をフットサルコートに替えた。代表の鈴木公夫さん(53)は「フットサル事業は収入がいいんです」と話す。フットサルでは時間当たりのコート使用料をテニスの倍に設定できる。それでも1度に10人がコートに入るので1人当たりの使用料は少ない。千葉県船橋市にあるフットサルコートのオーナーは「時間貸しの場合、面当たりの売り上げはフットサルの方がテニスよりも3.5倍ほど良い」と打ち明ける。フットサルコートを運営するミズノアルファーサービス社長の岡田諭さん(53)は「テニスコートがフットサルコートに替わる傾向はまだ続く」と分析している。

 事務所に戻った孝造は所長に報告した。所長は「収益の悪い事業が収益の良い事業に替わるのは当然だ。景気の低迷やブームの後退も当たり前。もっと深い理由があるはずだ」と納得しない。東京都町田市のテニスピア・ジュエ社長の杉山利昌さん(48)に聞くと、意外な答えが返ってきた。「テニスコート閉鎖の原因のうち一番多いのが相続税の物納なんです」「えっ、物納ですか!!」。孝造は驚いた。

生産緑地法が転機

 スポーツビジネスに詳しい信州大学元教授の上西康文さん(48)がヒントをくれた。

 「80年代はテニスブームで、コートの需要が多かった。それで地主も農地をコートに替えたんです。その傾向に拍車をかけたのが生産緑地法の改正でしょう」

 「生産緑地法!?」。孝造は国土交通省に向かった。都市・地域整備局で説明を聞いた。「3大都市圏の市街化区域内で生産緑地の指定を受けた農地は住宅地よりもはるかに固定資産税が安くなります。相続税も宅地より安く、延納できるんです」 ただ、一度生産緑地の指定を受けると一定期間、土地を農地のまま維持しなければならない。91年の法改正で、維持する期間がそれまでの10年または5年から一律30年となった。
 生産緑地の指定を受けない農地は自由に転用できる代わりに、固定資産税が宅地並みに高い。そこで農家が目をつけたのが、ネットさえ張ればできるテニスコート事業。このほか、駐車場や自動車教習所になる例も多かった。

 当時、生産緑地の指定を受けなかった地主がいた背景には、自身も高齢で農業を続けられず、子息も農業を継ぐ意志がなかったという事情がある。30年間も生産緑地として維持できないというわけだ。孝造が東京都新宿区の船井財産コンサルタンツに足を運ぶと、コンサルタントの牧野孝彦さん(37)が説明してくれた。「相続税負担からテニスコートを閉鎖するのが最近目立つのは、テニスブームの際に50代前後で事業を始めた地主が高齢化しているからです」

 牧野さんは「農地をコートにするのは一時的なものと考えていた地主も多かった」とみる。地価が上昇するなか、土地の売却を視野に入れていた。しかしバブル崩壊で地価は下がり続け、売れないままテニスコートとして残っている。

物納の85%、宅地に

 テニスクラブのオーナーが亡くなると、残された子息は相続税を納めなければならない。例えば、オーナーが2億円の土地をもっていた場合、相続税の実効税率が40%だとすると納税額は1億円弱。テニスの事業収入からねん出できる額ではなく、結局、物納することになる。相続税として物納されたテニスコート用地は「いったん更地として入札にかけられ、85%が分譲業者に買い取られている」(財務省理財局)。多くの場合、マンションや住宅に姿を変えている。

 孝造が事務所で報告すると、所長がうなずいた。「生産緑地の指定を受けなかった農地がテニスコートになり、今になって相続による廃業が相次いでいるんだな。生産緑地法改正の狙いは都市部に農地を確保することだったが、元の農地が結局、マンションになるとは本末転倒だな」

 「所長、たまにはみんなでテニスでもしましょう」。孝造が言うと所長夫人の円子が「あなたはいつも遊ぶ口実を作っている。そんなことばかり言っていたら、それこそあなたは『廃業』よ」(経済解説部 溝口知宏) 


 (日本経済新聞 2004年4月25日の記事より

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コメント

最初に予告したとおり、そろそろこの記事消しますね。
気になる方はテキストをコピーするなり引用元をブックマークするなりしておいてください。

投稿 KOU | 2006/07/09 0:32:52

都市の農家さんは家族に不幸があると、そのたびに田畑を1枚ずつはがされていくという現実があるようですよ。
周辺の地価が高騰したからって、そこで採れた野菜や米の価値がべらぼうに高くなるわけないのにね・・・

あまり「今の世の中間違ってる!」的なことを声を荒げて言うつもりはないですが、やはりこれはなんとかならんものかと思います。

投稿 KOU | 2006/07/03 23:48:07

へー、おもしろいですね!
たしかに、テニスコートはへっているとおもいました。
テニスクラブも、おじさんおばさんがほとんどだし。

それにしても、相続税って高すぎるんじゃないでしょうか・・。
農地をきちっと維持して、国内自給率があがればいいのに。

投稿 yuasa | 2006/06/30 16:25:05

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